人気のある急性期病院の役割を考える

厚労省は真剣に病院の機能分担をすすめている.地域での人気の急性期病院(簡単いうと救急車がいつもやってくる病院)では新患を丁寧に診て,落ち着いたら開業医さんに戻すという役割が大きい.そういう病院では投薬をして経過を観察するだけの患者さんは歓迎されない.われわれは自分達の役割が終了したと考えた場合には慢性の経過観察して下さる医院などの医療機関に移っていただけないか患者さんに打診する.ところが「この病院にはもう8年もかかっているのだから俺はここに来る」といって譲らない人がいる.こういう方が多いと何が問題かというと1人にかける診療時間が必然的に短くなって医療の質が低下することだ.診療の待ち時間は当然長くなり,最後の患者はどうしてこんなに待たせるのかと医師にくってかかってくる.私は次のことを提案したい.患者さんよ,あなたはもう十分この病院にかかりました.新しい患者さんに席を譲ってあげて下さい.自分たちががこの病院にかかったときに待たされた経験をしたら逆に自分の存在が人を待たる原因になっていることを理解していただきたい.仁義なき逆紹介という言葉を聞いて既に久しいが,私自身がこの言葉を実感するようになったのは本当に最近である.正直自分がちゃんとした診療をすればするほど逆紹介も困難となる矛盾をはらむ.

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