降圧剤アムロジピン (カルシウム拮抗薬) による下腿浮腫

降圧剤でアムロジピンというのはよく使われている. 私も飲んだことがある. しかし副作用として下腿の浮腫がある事が知られている. 医師がこのことを知らずに浮腫の原因が他にもあるとして心不全や腎不全を考えながら, 最終的に利尿剤を追加処方してしまっている事もある. 非常に残念な事に経験を積んでいると思われる,または肩書きが相当である,ないしは循環器内科の専門医がこれを知らずにいる. では私はというと, 大学卒業後10年目に当時赴任していた病院で内科の副院長が回診するのに同行したのだが , 患者の下腿浮腫を見て「これはアムロジピンの副作用だろう」と言われたことで初めて知った. カルシウム拮抗剤で血圧を下げている患者の下腿になぜ浮腫が生じるのか? 非常に不思議に思ったが, 私はこれが耳に残って気をつけることにした.すると開業医師や他科で処方された患者に下腿浮腫を生じていることに時々遭遇するのだ. 中止するか他薬に切り換えると数週間で改善する.時々浮腫に生じた色素沈着がそのまま残存することもある. また治癒過程でなぜか左右差を生じることがある. アムロジピンをシルニジピンに変更することで同じカルシウム拮抗剤同士で改善させることもできる. 最近私のところへ紹介された患者さんは浮腫の原因がわからなくて医師も困っていたと言う. 患者は合剤の降圧剤を飲んでおりそこにアムロジピンが入っていることがマスクされていたかも知れない.

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