輸入電気機関車の雄 ED54 完成

大きな車輪を持つスイス生まれのED級電気機関車であり, ブフリという特殊な動力伝達機構を有するためにまったく左右の側面形態が異なる, 大変無骨なスタイルを有する本機はまさに輸入電気機関車の雄であると思います. このED54 という輸入電気機関車の模型は今は無き鉄道模型社ないしは精細高級で名高いムサシノモデルからしか出ておらず, 前者のものでもキットのみの販売で, ヤフオクに出ていたとしても思い切った金額を入れないと入札に成功しません. 私もこれをもって一通りの輸入電気機関車が揃うという段階でようやく手に入れることができました. 仕掛かり品で, この状態にまで製作していただいた方には大変感謝です. このキットが最初に発売されたのはまだ日本のHO/16番ゲージの黎明期で, その時期にここまで完成度の高いキットが販売されていたこともまたすばらしいことです. 調べると発売初期には左右のエッチングに間違いがあった時期もあり, 駆動装置も初期は B, C 軸を駆動して, A, D 軸にはスプリングベルトで伝導とありますが, その後修正のため最終の駆動伝達方式に変更するキットが発売されたとのこと. A軸とD軸が左右に首を振って線路の弯曲に追従する仕組みはなんと実物と同じであると知った時には本当に驚きでした. 完成に至るまでの経過を是非記事で読んで下さい. ED級輸入電気機関車

 

左手のピアニストから

先日放映された「私は左手のピアニスト」には非常に感動した. 大阪府箕面市において 2018年11月2~4日に開催された「第1回 ウィトゲンシュタイン記念 左手のピアノ国際コンクール」に参加されたピアニスト達の人間模様を取材したもので, 上位入賞者のみでなく, 障害の中から一縷の希望を見つけ, 左手のピアニストとしてコンクールに初参加された方にも光を当て, 皆さんの生き様に大変な勇気を頂いた. そもそも左手のピアニスト達は何らかの問題を右手に抱えている人たち, ないしは左手だけでどこまで表現できるか挑戦しようとする方々であり, 障害を抱える, 否たとえ障害が無かろうとも頑張っていく人たちのものすごいぎりぎりの生き様を見せてくれたのだ. 優勝した方はどうやら右手のジストニア(不随意運動の一種)かな? と私は思った. ピアニストなど演奏家のジストニアは書痙と同じような現象で, 非常に繊細な動きを繰り返した結果, 大脳の運動プログラムが壊れてしまった状態なのだ. いわば熱心さと勤勉さのあまりの過剰な練習により皮肉にも身体をこわしてしまった状態である. 2位の方はアジア出身の方でしたが彼はホーキング博士の「生きている限り希望はある」という言葉を引用して喜びを表現していました. ホーキング博士が絶望的な病のなかであそこまで学問を極めた姿にご自分を投影しているのに感動しました. さてジストニア研究の尊敬する目崎先生から, ラベルの左手のための協奏曲は第一次世界大戦で右腕を失ったウィトゲンシュタインのために作曲したのだという逸話を伺っていました. しばらくしてこのウィトゲンシュタインはかの哲学者のウィトゲンシュタンとどのような関係であったか混乱しており, net で調べてみました. 2人は兄弟であり, 兄がピアニスト, 弟が哲学者と判明しました. 姉もおりまして, クリムトの描いた肖像画のモデルになっております. パウル・ヴィトゲンシュタイン【Paul Wittgenstein】 がそのピアニストであり  1887年5月11日 生まれ, 弟は有名な論理哲学論考を書いたルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン【Ludwig Wittgenstein】 1889年4月26日生まれ. 姉はマルガレーテ・ストロンボロ=ウィトゲンシュタイン【 Margarethe Stonborough-Wittgenstein】 である. この3兄弟はウィーンの実業家でクリムトのパトロンでもあったカール・ウィトゲンシュタインの子供達と言うことらしい. なるほど, 確か ルートヴィッヒはこの姉の家の設計をしている. 哲学ばかりか建築設計も出来るのはすごいと若い頃に感動した事を記憶している. 驚くべきことにこのパウル・ヴィトゲンシュタインさんの演奏はnetで聞く事ができた.

Marantz M-CR611 ネットワークCDレシーバー その2

この機械が調子の悪いことは既に書きましたが,その後も WiFi につながらなくなったりぷっつんと音が途切れてしまうことが継続しています. 最近再度WiFiにつながらなくなりnet に出ていた方法を試し, 電源コードを抜いて, 電源スイッチを数回カチカチ, 30秒間ほどおいて再度電源コードをつなぎ, スイッチを入れます. 不思議にこれで復活しました. 考えて見ると起動が怪しくなったPCを直すのと同じ手順で, この手の機械は家電ではなくPCと思えば良いことに気づきました. またこのリセットは気長にやらないとだめで, 静電気やキャパシター, メモリーなどの問題があるようなのです. 確かにこのようなことをしないと使えない機械というのもちょっとですね. さて復活で気をよくして, 新たにリッピングしたCD からの wav dataを NAS に入れてみました. 残念ながらその data をレシーバーはすぐには認識しないのです. 一般的なPC世界の常識がこの機械にはまったく通じません. 読み込みでindexされたdataを経時的に更新する機能が無いようなのです. real timeでは作動していないと考えたらよいのでしょうか. 電源を切って再度立ち上げることでようやく認識できました. そのようなことをするのはどうも面倒で, 不便な機械と言えます. この機械を購入してPC audioから遠ざかり気味なのはこうした不確実性によります.