ED 級輸入電気機関車 (その1) ED10, ED11, ED12, ED14, ED15, ED17, ED18

ED級 輸入電気機関車 (その1)

大正末期から昭和初期にかけて, 当時の鉄道省は欧米から種々の電気機関車を輸入し, 研究参考にした結果, 本邦での電気機関車製造が実現できたのです. それとは別に各地の私鉄が小型の電気機関車を輸入したという歴史もあります. 当コレクションは欧米型の鉄道模型とジオラマから発展しており, 海外から輸入された電気機関車は欧米風ジオラマにマッチすると考えています.

その1: ED10, ED11, ED11 (つぼみ製その2) NEW, ED12, ED14, ED15 (国産), ED17, ED17-2, ED17-3, ED17-4 , ED18,

その2: ED19, ED41, ED51, ED54, ED56, ED57,

その3: 上信デキ1 E43, ED22, ED28, ED40 (国産アプト), ED42(国産アプト)

ED10(完成品)

ED10 (1000型) は輸入電気機関車のうち最初期に陸揚げされたものの一つです. 1925年(大正14年)12月の東海道本線電化用として, アメリカのウェスティングハウス・エレクトリック(Westinghouse/WH・電気部分)とボールドウィン(Baldwin・機械部分)により2両が製造されました. 手に入れたこの車両はしなのマイクロ製の完成品で珍しいオリーブ色で塗装されています. まだカラー写真が普及していない時代と考えると, 実物の色は写真から見ることはないのでは. するとこの模型の色は記録を元に塗られたのでしょうか. それとも人の記憶から? 果たして模型が設計された段階で実車が存在したのでしょうか?

底面のネジを緩めて分解を試みたのですがデッキの手すりはボディーとシャーシ間で固定されており, 折角のきれいな塗装が剥がれる危険もあるためにあきらめました. その結果, 集電機構に手を入れることができないのですが, 製造から年月がたっている割にはぎくしゃくせず良好な走行です. 2 モーター装備でがっちりとした作りであり, 仕上げも優れています. 最近正面にナンバーを貼ったついでに磨き上げたので写真を入れ替えました.

ED10斜め写真

ED11(つぼみ堂模型店 半完成キット)

東海道本線電化用として, アメリカのゼネラル・エレクトリック(General Electric/GE)で2両が製造された. 当初は1010形1010・1011)と呼称されたが, 1928年(昭和3年)10月の車両形式称号規程改正によりED11形ED11 1・ED11 2)に形式番号が改められた.1970年, 私は大阪万博に行かない代わりに小遣いをもらって, 当時, 西区の五条橋横にあった安井模型へ赴き, つぼみ堂模型店の ED11 未塗装半完成キットを購入した. 私の記憶では 3500円? 当時は店の天井には模型飛行機が多数つり下がっていて, 模型店が鉄道以外のものもいろいろ扱っていたことを思い起こします. 上の写真はレストア前の状態で, 小~中学時代に茶色のペンキを刷毛で塗った状態. この電機は現在も時々ヤフオクに出回っているのを目にし, 鉄道模型人口を増加させるのに一役かった貴重な製品に間違いないと思います. この輸入電気機関車コレクションはこの1台から始まっており, 先日 ED54 を手に入れるまで実に48年が経過しました.

まじめにレストアに取り組んだ初期の車両の一つです. 中の黄色い配線が見えてしまいます. 砂箱は新装追加. 台車はトビカトップガードで塗装. 車体はぶどう色ですが完全つや消しでクリヤは吹いていません. 大きな碍子が目立ちますがオリジナルの陶器製を尊重しそのままにしています. パンタグラフはレバーでラッチが動いてリリースされるタイプ. シンプルな割には解放テコなどもちゃんとディテールがあります. リベットの表現も秀逸です. 点灯はしていませんが前照灯などは電灯を入れるスペースがない構造です. この車両はやけにスピードが出ます.

全車輪にエンドウ製の集電シューセットを追加.  車輪の踏面はクロームメッキが剥がれ, 汚れが付きやすい状態です. 地元にこの電機の実物があるのですがようやく行きました. リニア鉄道館 ED11    

ED11 (つぼみ製その2)

ヤフオクにつぼみ製 ED11 のキット?の動力をエンドウの MPギヤに換装したものが出ており, 迷わず入手した. 縦型モーターにインサイドギヤという古典的な ED11とどれほど違うか出来ばえが確認したかった. そして期待どおりのすばらしい工作がされてあった. 自分で換装することも楽しいかもしれないが相当苦労しそうで躊躇する. 実は到着してみると搭載されていたウエイトが外れており, ユニバーサルジョイントがそれに直撃されたと見えて, 割れていた. 鉄道模型製品の輸送はこういう予期しない事故が起こりうるという一例である. ジョイントはとりあえずシリコンチューブで代用させたが問題なくスムーズな動きを見せ, 全く感動である. 超低速での発進と静粛性, そして線路の繋ぎ目の振動音が非常に心地よく聞こえる.

プラスチック製のユニバーサルジョイントが割れていた. これと同等の部品は現在は入手不能であろう. 安達のキットにはこれに似た部品が使用されているが. まずはシリコンチューブで代用させて問題なく可動を確認.

下の写真は絶縁側の集電装置を示している. シューは黒染めされている.

モーターホルダの下は真鍮板を用いて底上げがされているがそれなりに手の込んだしかも精度の高い工作である. ホルダの無い側の台車受けには周到な絶縁工作がされている. みて分かるようにモーター軸は見事に直線に並んでいる. 実はこの HP の中にはこの機構の電気機関車は少ない. もしあっても完成品であり, わざわざ分解して写真撮影されたものが少ない.

絶縁側の集電シューを上から見下ろして見ている

壊れていたジョイント部品は瞬間接着剤を付け, 洋白線で締め上げ修理した

これで復活した. ちなみにこのMPギヤの規格は軸距 31mm 直径14mm スポーク輪というものであり, 現在も13200円で市販されている. (2022.3.5)

ED12

実物はスイスのブラウン・ボベリ(Brown Boveri Co.:BBC社. 電装品担当)・シュリーレン(Schweizerische Wagonsfabrik Schileren:SWS社.機械装置担当)の 2 社合同により 2 両が製造された.

泣く子も黙る, 鉄道模型社製のキットをどなたかが組んだものをヤフオクで落札.  付いてきた外箱も紛れもない鉄道模型社のものでした. 写真は売り手が撮った購入時のもの. 元は ED12 ではなくE51/E52で, 西武鉄道に売却されてから改造されたもので, 運転室前の窓が開けられている.

下部の前照灯を追加

ブレーキシリンダを追加. このあとトビカトップガードを吹いた.

ボディーの塗装はいったん剥離し, 輸入時の姿に近づけるために側面窓の一部を手元にあった波板でふさぎました. 西武に移ってからの現物の色は印象的なピンクレッドですがまったく異なるメタリックブルーにしました. さらにクリヤも吹いて光沢を出しています. 昔このような色の O ゲージの EB を持っていましたが, その懐かしい色に近くなったかと思います. 細部はきれいではないのですがそこは鉄道模型社製+素人工作でお許しを. 床板はブラスブラックで黒染め, 台車は黒染め後に失敗を隠すためにトビカトップガード.

ほぼ全車輪に集電シューを装着した. 車輪の内側からシューを車輪内側面に当てています. 絶縁はスポーク車輪の外周にあるタイプで, 上手くシューを当てないとスポーク部との間でショートしてスパークを生じます.

下部の前照灯も造設. 但しこれは標識灯として赤色の LED がつくようにしました. 上部の前照灯は取り付け位置を下げました. 標識灯に UV レジン工作でレンズを表現した状態です.

ED12 のナンバーは 3 つしか作れませんでした.仕方なくこちら側の正面には ED10 の余ったナンバーを貼りました.許して下さい

 

上のビデオは下回りを完成させて塗装しなおす前のボディーをかぶせた状態

ED14

ED11形に続いて輸入された米国ゼネラル・エレクトリック (GE) 社製の電気機関車である。電気部分・機械部分ともにGEによる一貫製造である. 4 両が 1926 年(大正15年) に輸入された。ED11と同様 GE 社製の輸入電気機関車で ED11とよく似ていますが, 違いは ED14 のほうが車輪径が大きく, 連結器が直接台車に付いている articulated type である事です. 最近出版された ED11+14 の写真集を見るとリベットが目立ち, メカニカルで無骨な外観です. これも安達製作所製のキットを組みましたが普通に作るとデッキに付いているステップに台車が干渉して小半径レールは走行できません. そこでステップは台車に付け変えています. するとデッキからでた手すりが本来は付いているステップに付かなくなるのでフリーになっています.

次の ED15 よりかなり後に製作しておりこつをつかんでいたようすで, 台車はあまり苦労なく組んだ記憶. 基本構造は ED15 と同じだが異なるのは台車の側板はこちらのほうが厚手でひずまないこと. ED15 は柔らかでネジを締めると板台枠が容易に反ってしまうのだ. 鉄道模型工作は製作者の総合能力が試され, せっかちな人間が忙しい合間をぬっての工作では失敗が多々. ことに時間が必要な塗装は最も苦手な作業. 一回失敗して二度としないのは高湿度のときの吹きつけ塗装です. しかし折角時間を作ったときに限って雨であったりします. さてこの車両はギヤボックスが未塗装で, 塗装技術がまだ不十分な頃に組み立てているので先を急ぐとこういうことになります. この場合ギヤボックスは組み付ける前に黒染めなどの塗装をするべきでした. 台車の奥に見え隠れしますがエンドウの集電セットが全車輪に装着されています. 必然的に走行性能は優れています.

ED15

ED15 は輸入電気機関車ではないがその中に入れて論じている資料が多く, あえてここに収録した. 製造は日立製作所で大正13年完成. 最近機械遺産に認定されました. 模型は安達製作所のキットを組んだもの. 動力伝達装置の部分も完全にキット化されている製品で, 前述の ED14 と共に真に作る楽しみをもたらしてくれます. 例によって小半径レールを走行させるのは課題があります. 砂箱が台車の間にある空気ボンベに当たるので, 空気ボンベの位置や砂箱の装着に微妙な調製が必要です. 安達製作所のキットは簡単に見えてどうしようもなく難しい部分があります. この機種は台車の組み方がネックです. 指や手が何本もあれば解決できるだけのことかも知れませんが, 一人で組むのには困ることがあるわけです. ネジ組みでかちっと固まるわけではなく, 何となく一番良いところで固定しておいてハンダを付ける.それが最終的に適切なものであるために何回も試行錯誤を繰り返す.そういう部分があります. 安達さんはそういう困難があることを百も承知で, 工作者の創意工夫する部分をわざと残しているのだろうかと思います. しかし初心者にとっては非常に不親切といえます.  作品は側面下部のステイのような部品がちゃんと水平に装着されていないのかひずんでいるように写っています. 作り直しが必要かも知れませんが. これはかなり趣味再開初期の製作で, 技術力不足です. ハンダのはみ出しが目立ち, 塗装もしていません. 実は完成させてみたら自分の好きなスタイルではなかったというのも一つの理由かも知れません. パンタ同志の間隔をもう少し離すとプロポーションが良くなるかもと考え完成時には移動しています.

さて2018.5 作品に塗装がしたくなり触っているうちに, 改めて手を加えようという気持ちになりました. 手を加えると言っても台車組みでネジで締めるべきところをはんだ付けしてしまった部位を直すぐらいとたかをくくっていた. 10年以上前に製作したこれの台車をバラしていくと, 再組み立が大変な事に気付きかといって元には戻れず. 部品を台車枠に付けるときの順序なども大事で, 軸箱板バネを台車側板に付けるときには全面はんだ付けは原則にもかかわらず一部だけのはんだ付けだったために他の部をはんだをし直すときに融解してすべてはずれてしまう. 部分修正は不可能で, 熱容量上重い部品からハンダするという原則に従ってやり直す必要があります. 最も困難なのは, 台車側板の前後に付く梁を渡すためのL字型の小さな金具を直角に正しくハンダ付けするところです. 直角を出してはんだ付けが極めて困難なので, 組み上げてネジを締めると台車が微妙にひずむために車軸を噛んで車輪が回らないか抵抗を感じるようになる事です.台車を正確に三次元的に四角く組むことが難しいと言うことです.

台車枠を組み直し再度分解しトビカトップガードで塗装しました.

車体にも手を入れて, ブラスクリーンで洗浄後, 造形村 GKサーフェイサー・グレーで下塗り. ベンチレーターの目詰まりが目立ち直さないといけません.

サーフェイサー塗装後は余分なはんだやゴミが良くわかるので, この段階で手直しをすることが大事なようです. ステップの上に余分なはんだの塊!! 後にこれは削り取りました. 前照灯は配線の穴を穿つときに傷つけてしまった.

ギヤはバラ部品からの手組みです. 今回のレストアによりエンドウの集電シューセットを装着した状態. 左手前は絶縁側でありシューは本体とは絶縁されプラスチックネジでの固定. 右手前は非絶縁側でギヤ枠とはんだ付けし通電. それぞれ対側は逆の集電方式です.  2018.6.5

裏蓋を外して見るとギヤは一部はプラスチックでした.気がつかずにはんだごてを当てていますのでひやひやものです. ついでにグリスアップもしました.

エンドウの集電シューセットに付いているシャーシ側のユニットを取り付けたところ. シュー側の上方に弯曲させた部分はこの板と接点を作ります. この使用方法が正規の方法ですが接点を設けたくないときには直接結線してしまいます. トビカトップガードはおそらく成分がカーボンのため通電するので, はんだのはみ出しでもショートするので要注意.

その後先ほどのサーフェイサーの上にガイアノーツぶどう色 1 号をスプレーしたのですが ED41 の時と同様な現象で表面が梨地になってしまい, やむなくやり直しを決心し, 塗装剥離剤でどろどろに. 結局プライマーは Fuji のものに変更, 少し黄色い液体です. プライマーを吹いた段階で表面は平滑で光っております. スプレーワークは吐出量と距離の問題が複雑で. 相当こつがあり, 一度上手くいっても次にはその時のこつを忘れてしまうのがいけません. 要するに経験が必要. その後も涙ぐましい努力後にようやくほぼ完成. 側面の配管をするのを忘れています. オリジナルと全く異なるのはパンタグラフの間隔を開けたことで, より輸入電機の雰囲気が出ています. モデルシダーの LED キットはなぜか必ず調整中に壊れてしまい, これも何度もやり直し. LED の形態が丸見えでこの後赤のレジンで隠しました.

両パンタを原型よりも前方および後方に移動した結果, 他の輸入電気機関車の形態に近づき, 格好が良くなっています. パンタ碍子の位置は前方の孔を後方用にずらすことで工作を省力化できました.

2018.7.29 撮影

このキットは初心者には完成不可能だと結論せざるを得ません. 台車は適切な治具でもあれば作製可能ですができればネジ止めだけで完成できるよう半完成にしてほしいです.

ED 17

ED13 以後は ED17 グループにまとめられる類似車両が多数あります. 作品は安達製の ED17 キットから作製しました. ドロップや挽き物部品が多数ありました. この車両も半田ごての技術が足りずに苦労しました. 部品の熱容量を考えながらハンダ付けをできるようになると 3 つ以上のものを同時に付けことが可能です. 大きな部品から付けていきますが, 先に付けたものに熱が回って取れてしまうの予防するのに熱を逃がす工夫をしながら次のハンダ付けする技も重要. さてこのED17ですが step をぐにゃりと曲げて小径レール走行時の台車の干渉から逃げる工夫をしています.  step を台車に固定するかヒンジで逃げるようにした方が良かったかも知れません. 昔の作品を見ていると再度組み立て直したくなります. そういうことができるのがブラスキットの利点で, つきない魅力です. 良く見ると側面ベンチレーターの配列ずれが目立ち, これをきれいに整列させるのは本当に高い技術が必要です. でもアマチュアはこれで良いのです.

ED17-2 つぼみ堂製

つぼみ堂のED17ですが, ヤフオクのきれいな写真に惹かれて完成品を入札

私の推察ではこの車両はつぼみ製のオリジナルに前オーナーが手を加えたもので, ハンドレールノブがくりっと丸い形態をしており, これが全体のレベルを上げています. この部品はロスト製と挽き物では差が出ます. この車両も台車が左右に振れたときに梯子との干渉があり, 可動域の制限みならずショートも起します.上写真で梯子の取り付け部にヒンジを設けて逃げるように改造しましたがカーブではショートするため, 絶縁も必要. またこのパンタグラフの碍子は ED11 と同じようにオーバースケールと思いますが, オリジナルを尊重しています. 塗装はどうするか悩んでしまいますが,このままでも結構美しいです.

動力系は改造されており, 興味深い構造になっています. ピニオンギヤが車軸に接着剤で付けられており, 両軸モーターで駆動.ウオームとの間が少しタイトなため, 雑音が出るのが残念. 後日ウオームとピニオンの隙間を少々空けるためにモーターに付けてある四角い box 状の部分と台車枕梁の間に真鍮板を挿入することに成功. 当初ピアノ線による車輪踏面を押す形式の集電シューで燐青銅板のしなやかシューに置換.このピアノ線を切断するときに Xuron フラッシュカッター ニッパー 2175 で切断しようとして刃を壊してしまいました.ヤフオクをウオッチしておりますとこの作者は同様の品を時々出品されており, つぼみ製の ED17 を上手にグレードアップして再販しておられます.

解放てこは私が付けたのではないのですがフラックスが残存しているからでしょうか周辺に錆が進行しています. この車両の点灯には定電流ダイオード, 整流ダイオード, そして格安の超小型 LED を使用して配線しましたが何度も接続を間違えて大変苦労しました.

ED17-3 鉄道模型社製

2018年7月にカラマツトレインのフェアで購入したもの.2モーターだが片側のモーターを固定する台は半田がはずれており, 改修に苦労.ベンチレーターはエッチングで, 凹凸感には乏しいものの凹部にはきれいな茶色の塗装が施されており, なかなか個性的な趣である.金属部分は銀色に光っていて, どういう素材なのか不詳.なぜか錆びてはいない. ネットで見る限りにはこれと同じ仕上がりの写真はなく,メーカーの完成品とは考えにくい.碍子は黄色く変色している.車輪はスポークではなく,また車輪の取り付け方も車軸に直接ねじ込む形式ではなくルレットが切られた小ナットで締め付けるタイプ.このタイプでは時々このナットが緩んでいるのに気付かずに急に走行しなくなって困惑することがある.

絶縁側には集電シューを新たに装着.時々片側のモーターが停止するのだが原因不明であった.モーター同士は結線しているので片側のモーターだけがが停止することは理論的にあり得ないので困っていたが, 結局ビニール被覆内での断線が確認された. カーブではショートして停止するので絶縁テープを様々な場所に貼付している. まだまだ完成には至らない. 螺子は独特なマイナス螺子であり締め付けには苦労. かといってプラス螺子に変更してしまうのもオリジナルを重んじる一心で避けてしまう. 一見台車と車体に余分な隙間があるために腰高でバランスが悪く見える.

時間的に逆転するが後に出てくる ED177 の改造過程に味をしめこの鉄模社 ED173 にも手を加えることにした.スパイクモデルの 15.5mm スポーク車輪の新品をIMONで購入, ネジの規格は同じで, 抑えネジも使用できた. 台車にはブレーキ装置を簡単にしつらえ, 解放てこも装着.

下は塗料をはがしたところで, ホームセンターの塗装剥離剤は新製品で刺激が少なくなっていた. 剥離した結果ボディーは洋白製らしいとわかった. エッチングのみでは立体感に乏しいので IMON から発売されているベンチレーターを半田付けした.

元はこのとうりでした

ボディーと台車の距離を数mm 縮めた結果, 腰高感が改善され, 見違えるようになった. 折角スポーク輪に変更したがあまり効果がないのは. 台車枠が広過ぎてスポークが隠されてしまうためだ. このあとはハンドレールノブの工作.

挽きもののハンドレールナブに換装しました. 途中でナンバープレートが剥がれてオリジナルが現れた.

地にはED1715 とありましたが手元にあった安達製の残りから 19 を貼りました. 輸入当時の前面にかっこの良いジャンパー栓が残されている形態をまねてみたが一部塗装剥がれ.

ED17-4  鉄道模型社製その2  ED177

鉄模社のこの特定ナンバーは検索してもあまり出てこない. 数が出なかったのかも. ヤフオクで1万円以下で入手. 私の観察する限りでは完成品ないしは半完成キットでしょうか. ところどころ上手くない半田付けの部分があります. 非常に興味深いことに台車がかしめで組立てられています. 掃除をするために最低限度の分解をしたいにもかかわらずネジではなく銅製のリベットでかしめられていてどうにもなりません. 仕方なく片側だけリベットの頭を切断切削後に除去してしまいました. n-ヘキサンで洗浄するとこの写真とは見違えてきれいになりました. 真鍮は表面に油汚れがあるとあまり錆びないようです. 購入時片側モーターのブラシをバネで押しつけて固定するキャップ型のネジの脱落紛失を発見しましたが, バネはちゃんと残っていました. キャップは手持ちのパーツから工夫して作製に成功. モーターは洗浄のみで復活しました. ブラシ部分は呉2-26 などで接点復活させます.

塗装を剥がして組み直す予定です. 請うご期待(2019.5.1) 車輪はスポークに変更予定です.

剥離剤で塗装を剥がしブラスクリーンにも付けましたが古いからか錆がところどころ残存です. 気にせずに手持ちの部品から前照灯などを付けていきます. ハンドレールも改装中の状態. ハンドレールノブは高さが 2mm で, ややオーバースケールでした. 1.8mm の手持ちとの混合になりそうです. この作業は非常に根気がいります.

インサイドギヤはプレス製ではなく切削加工された精密なもので, きれいにすると輝きを取り戻します. 車輪は後記の ED19 改造時に交換したものを流用したが同時代の部品なのか良く適合しました. この車輪も軸にネジが切られていないのですが, 外径がほぼ一致していてさらにその上にロレットの切られた丸ナットを締めておきます. 多少偏心が生じても妥協です.

台車枠は片側がなぜか黒染めです. 黒染めでない方は塗装されており剥がしました.

銅製のリベットを取り去った後の孔の径は1.7mmのネジの下穴に近似, そこにタップを立てました. 台車外枠の孔は逆にすこし広げます.

安井模型で部品を探しますと少し小ぶりですが天賞堂製の電気機関車用の砂箱が 8個で450円でした. 旧価格での販売で助かります. 上の左は珊瑚模型製のハンドレールノブですがこの部品はロストで形状はいまひとつです. 2 つ前のつぼみED17の前の持ち主が改造に使用した部品はいわゆる挽き物で高級感があります.

ピントが合っていませんがこれは安達製の砂撒き管元栓で, 天賞堂製の砂箱にドリルで孔を開けて半田付けしたのがもう一つ上の砂箱+砂撒き管の写真です.

ボディースカートの部分には 1mm channel 材を半田付けしてすこし丈を伸ばしました.すこし腰高感を隠そうとたつもりです. 1mm 程まだ高いです.台車にはブレーキ装置を追加.

2 モーターだが片側の台車にだけ黒染めされているのは不自然で, 恐らく異なる2台から構成したと見ます. 現状でもわずかに車体が高い位置にあり, 調製を進めます.

構造上ネジは使いにくいのでボルスターとの間の絶縁を考慮してプラ板を 2 液接着剤でエンドウ集電シューに取り付けた. あらかじめ配線は済ませて置くのが無難である.

斜め上から見るとこのような状態

下から見るとこうです. モーターを取り付ける台が邪魔するのでシューは前後方向に逃げて接着する必要があって, ネジより接着剤のほうが任意の位置に決まるので便利である.

台車はトビカトップガードで塗装した. スパイクモデル製の解放てこを装着, 残念ながら良いカプラーポケットが見つからなかった.

シャーシがなく, コの字型の金具を車体にネジ止めしてあり, これにボルスターを取り付け る構造的である. 車体高を下げるためにネジの位置を数mm変更してタップを立て直した.

艶なしになってしまい, またしても塗装が失敗です.

窓硝子, 点灯, ナンバーを残すだけですが, ここからがなかなか進まないのです. 車輪は1ペアだけスパイク模型の新品に変更せざるを得ない偏心がありました. フランジが低く, 脱線しがちです.

ED177 であるがナンバーは手元にないので適当に12にしました. この改造機は側面スカートにベンチレーターがついていて, 小半径レールは走らせにくいです. こちら側の前照灯はモデルシダー製の LED が切れてしまい, 格安で手に入れたものに変更している. レジン工作を忘れたまま写真を撮った. ビデオ撮影時にはさらにLED が切れてしまっていた. モデルシダーの LED はもう使用を止めた.

ED18

安達製キットを組んだもの. ED18 は ED17 とは台車の形状が異なり, ED17を作るとこれも作りたくなります. 実車では軸重軽減のための設計変更とされていますが, 模型でのこの表現はずいぶんと苦労があると思われます. ところで ED17, 18 の組立て終了後, 塗装しようとした頃, いずれの模型店でもまたネット上においてもぶどう色の塗料がありませんでした. 仕方なくタミヤのスプレーカラーでまるで戦車のような茶色を塗ってしまった訳です. まあ今のところ塗り替える気はしません. ED17と異なり新作キットで, 値段もしますが, ギヤは新作の MP ギヤ風組み立て済みで楽でした. しかし台車枠の組み立ては手がもう一ついるという工作を強いられ, テープなどを補助に使用する工夫が必要. そういう作業を助けるのが治具 (ジグと発音する) なのですが, 確かに自分で治具を製作する必要があるのかもしれません.

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