神経内科呼称変更について

日本神経学会が神経内科という呼称を脳神経内科に変更することに決定したという. 現在脳神経外科と言う科名があり,これはわれわれと同様な領域を外科として扱っている科を指しており, それにそろえると脳神経内科になるというのは一理あるかもしれない. 本来われわれの科は欧米で言うところのneurology であってその邦訳は神経学が正しいように思ってきた. 日本の神経内科の学会は日本神経学会であり, その雑誌は臨床神経という名称であり, 臨床神経内科ではない. またAANは米国神経学会となる. 元々の親である精神神経学会は神経と言う用語を神経学を意味して使用してきたが神経は巷ではむしろ精神科の言う神経科と混同されがちであって避けたいという気風があるのかも知れない.  neurology はneuron を最小単位とした, 中枢末梢の両方をeven にとらえた概念なので脳や脊髄,そして末梢も含む大きな意味合いがあった. neuronを神経単位と考えれば, neurologyには神経学以外の訳はあり得ない. 私はこの愛着ある神経内科/神経学という語を愛しており神経内科/神経科/神経学なる用語を支持する. 12対のcranial nerve を脳神経と呼ぶのとも混同しやすい.