輸入/国産蒸気機関車
B20, 2412 (2305), D50, D51, C55, C11, 9600
B20
ワールド工芸のキット. 長年未塗装のまま放置したが. 真鍮の地がさびてそれなりに味が出ている. ロストワックス部分は表面に剥離剤が残存するからか錆びにくい様子です. ロッド~リンクを組み立てるのが大変で, パルコにあった模型屋さん (今はない) に「あまりにも小さくて」とぼやいたら, Nゲージではもっと小さいんですよと言い返されました.
このキットでは車軸にデルリンらしきプラスチックが使用され, 左右車輪の絶縁をはかっています. 接着剤を使用する部分があり, 車軸を受ける部品が貧弱で, 耐久性が高いとはいえません. しかし完成させた場合の個体の差が出にくいのが長所で, プラモデルを作る感覚で作製できます. 質量がないために熱容量も少なくハンダゴテ作業が楽です. 重さが出ないのでいろいろな場所に鉛板を工夫して追加する必要があります.
やはり10年あまり経過し, ナンバープレートの準備が出来たので塗装をしようと考え, 手を加えたら大変なことになりました. 隙間が開いていたりいろいろ気に入らない部分を直そうとして深みにはまって, たとえばサイドロッドの洋銀のように見える金属は実はステンレスで, 一旦瞬間接着剤でついていた部品を気付かずに一生懸命半田で付け直そうとしたのですがつかずにいつの間にか一部紛失. またロッド, リンク類がはずれて, 細かい作業のやり直しでした. そして極めつけは塗装の失敗です. ブラスクリーンできれいにしたのですがその後の脱脂が不充分. トビカトップガードがはじかれる部分がある. 最近は塩素嫌いになって, マジックリンを十分に使用しなかったのが裏目に出た. 焦って何回も上塗りしてしまい, さらに液だれの憂き目からプライマーから吹き直すことにしました.
左側のイボイボの円環を紛失した. どうしても半田がつかず, どこかに素材がステンレス製と書かれていた気がしたが, メーカーさんユーザーを泣かさないで下さい.
うまくいけばトビカトップガードの黒は最高です.ボイラー前のスカート部分だけは最後まで塗装がはじかれ, ロストワックス部品はワックスが表面に残っているため丹念な脱脂が必要と反省でした. 2019.2.18
B6 2412 (2305)
筆者の地元には 2412 の実物があるので (現在整備中のため撤去) 2412 として作りたかったのですがナンバープレートは 2305 しか調達できませんでした.実物の機関車はドイツ, ハノーファー社製. B6と総称される C タンクであり, 模型は珊瑚模型のキットを組んだものですが, 小半径曲線レールの走行には向きません. 各車輪の左右方向の車軸の遊びをもう 0.5mm 増やだけでかなり改善するのでは. 蒸気機関車のキットは製作が一般的に難しく, これにも大変苦労した. 実物の写真が Gallary に入っていますがそれと同じものを作っている感覚はありません. 実物は下から見上げてみる感覚があるからでしょうか. 何年ぶりかでいじって, 塗装したくなりました. でも手を加えると走らなくなります. ボディーをかぶせると微妙なずれによって, モーターの尻がバックプレートの前方と干渉. 現状小径レールの走行困難のために, 加工をしました. 左右の車輪の遊びが大きくなるように軸受けの側面を切削しました. 最後まで従輪が梁と当たって干渉するので思い切ってさらに改造加えています.
塗装のために一旦解体しました (2018/2) ブラスクリーンなどで洗浄後の状態.
残念ながら珊瑚のキットには 2412 のナンバーが入っていませんでした. 仕方なく2305を採用. 生地完成後 10 年あまり経過して brass black による黒染め終了し, 2019.3.3 ようやくナンバー貼付. ところどころはげているだけでなく, 見れば見るほどパーツの付き具合に問題. 直交平行が保たれていない.
配管の一部はずしたままでした. 珊瑚のキットはロストパーツを付けるときに非常に注意が必要で, 脱脂をしっかりしてからでないと半田がつきません.
D50
小学 6 年生時に入手できた唯一の大型蒸気機関車は宮沢製 D50 で, 塗装済み半完成キットが 8000 円台でした. 名古屋松坂屋の鉄道模型売り場が最盛期であったころの購入と推察. そういう思いがこもる車両ですが残念なことに, 長年に渡り集電不良やギクシャク運転に悩まされました. 長年の不具合とほぼスクラップ状態, そして趣味からはまったく遠ざかっていたにもかかわらず自宅に残されていたことが奇跡でしょうか. 再開後初期からレストア開始, この成功なくしては HO 再始動の扉は開かれていません. net 上のレストア記事①, ②が大変参考になったことは言うまでもないですが, 部品をほとんど安井模型店で購入でき, 安達の D51 用の主台枠セットがほとんどそのまま流用できた (主台枠セット 2013/5 購入) ことなどが幸いしました. 元々宮沢模型 D50 のダイカスト製主台枠はひずみがあった上に破損してどうにもならない状態でした. まずは塗装剥がしから始めましたが, 市販の塗装剥離剤は十分な力がなく, ホルツというメーカーのものを使用. この溶剤は手袋を二重にしても手指に痺れが生じ, 怖い思いをしました. そのような薬剤を用いても細部に塗膜が残存し, 元々の厚塗りが証明されます. 石炭は当時の木工用ボンドで固められ明らかに積みすぎが修正不能.
炭水車と本体はカーブで接触してショートするためにテープで絶縁しています. 宮沢製はディテールはイマイチであるものの D50 のプロポーションは良好です. 私が D50 を好む理由はスタイルやプロポーション以外にスポーク輪である点につきます. 長い作業休止後, ようやく黒染めに挑戦. brass black 使用ですが, 前処理はいい加減なキサゲ仕上げとサンポールそしてマジックリンでの洗浄. サンポールを十分水洗せずにマジックリンをかけますと塩素ガスが発生するようで気分が悪くなりました. 半田の残りでむらが出来ていますがそれが返って本物らしい仕上がりをもたらします. 写真を追加 (2017.10.1). 小学 6 年頃の購入で 47 年後にしてようやくレストア完成です. 標識灯とテンダーの前照灯が未施工です.
黒染めをきっかけにテンダーはエンドウの集電シューを使用して全輪集電にし, 非絶縁集電から, 本体にリード線で送電する仕組みも設けました. 前照灯の LED は珊瑚製の点灯キットですが工作には大変苦労しました. 器用な方だと考えていた自分が尻込みするほどの繊細な工作を要しました. 逆に, この点灯キットを購入する人が大勢いることに感心します.
PWM 制御パワーパックとテンダーからの全輪集電のおかげで超スロー運転が可能です. また安達の蒸気用ギヤセットの高精度のおかげで非常に静粛な走行です.
D51 カツミ
カツミシュパーブシリーズの D51 未塗装半完成キットの中古品です. かなりの部分が完成されていて, とても製作しやすいキットで, 現在でもこのような製品の流通が有れば HO ゲージファンの減少に歯止めがかかると思います. 微妙な D50 とのプロポーションの違いがわかります. 追加できそうな部品をいろいろ安井模型で購入しましたが, 作用管などの面倒な工作は未施工で作業停止しています.
C55
テンダー型蒸気機関車としてばらキットに初めて挑戦した珊瑚模型製 C55 キットです. 製作に非常に苦労した上に私のジオラマ上の小径カーブは走行が困難でした. 先輪や従輪はボディーとどうしても干渉します. 特に先輪には特殊な加工が必要で, 少なくともシリンダーの内側を車輪が当たらないように相当深く切削する必要がありました. 現在も先輪は時々脱輪します. 塗装はトビカトップガード. 点灯工作は未実施.
小径レール走行を可能にするためにドローバーに工夫してテンダーと本体の間に距離が設けてあります.大型の美しいスポーク輪が目を楽しませてくれます.着手は 2009 年ほどで完成まで 2 年ほどかかりました. 蒸気のキットを組むのは中途半端な器用さと忍耐では無理です. たっぷりとした時間が必要です. 微妙なリンクの組付けは知識が必要で, いろいろトラブルで結構途中で放り出したくなります.
C11
珊瑚模型製のキット. 説明書によると初心者向けのようなことが書かれてあってとんでもない話だ. 炭水庫の裏側の配管などは立体構造がつかめずにどうして良いのか困った. 細部にわたってわからないことが多い. 極めつけは車両がカーブを上手く走行しないこと. 一目見てわかるようにこの車両のカーブでは後方底部に大きな問題がある. 従輪はボギーすなわち 2 軸であり, ボディー下の構造とごてごてで干渉する. 両側の水タンクの水平が出ていなかったのが致命的な失敗で, ボイラーと平行でないのが肉眼で見て取れます.
2020.12 ですが久しぶりに手を入れることにした. 水タンクと キャブの接合部に角度がついてしまっているので修正を試みた. シリンダーとボディーとの接合に少し隙間があったのでこれも修正. キットの作例をヤフオクなどで見ると, キャブ (運転手らが乗る部分) はネジで外れるようになっているものがあって, なぜか私は半田付けしてしまっている. そう作製できると気付かなかったのか手抜きなのか, とにかく情けない話である. 従輪は徹底的に内フレームと干渉してショートするため相当な切削をしないとカーブを進めない. 排煙板とフレームの接合部には微妙な隙間があり修正を試みたがある程度で諦め. やはり塗装まで行かない.
9600
天賞堂の初代, 完成品である. カラマツトレインで大枚はたいてしまった. ディテールはあまりなくてすっきりしている.
非公式側の構造は単純である.
ネジが固く, 分解不能で手入れできません.