EH10
誠文堂新光社刊「機関車ガイドブック」によると, EH10は国産最大最強の電気機関車であり, 小学生時分にはあこがれていました. これは 2008 年に名古屋丸栄百貨店開催の鉄道模型展で見つけたしなのマイクロのキットから製作したものです. 売れ残りなのかいろいろな部品がおまけで入っていました. 発売当時の価格と思われる 21000 円であり, 掘り出し物だと勘違いして買ってしまったのです. しかし実は知る人のみぞ知るむつかしいキットで苦労の連続, 残念がら情報不足でした. もとの設計では台車の動きの制限で小半径レールの走行は望めません. オリジナルの駆動系はいろいろと疑問を感じるものでした. おまけに付いていたインサイドギヤを使用して凡庸な構造に変更を強いられます. しかし付いているダイカストの台車は他メーカーと比較しても遜色なく良くできていると評価されており, なんとかモチベーションを保って製作しました.
オリジナルの駆動機構はしなのマイクロ独特なもので, 車両の長軸方向に平行にモータの軸が並ぶものです. 蒸気機関車でも同様な構成はありますが小半径レール走行には不利で, 方向が変化するときにコリオリの力が働いて脱線しやすくなります. もとより私の小半径レールは走行不能, おまけで入っていたインサイドギヤ仕様に変更せざるを得ません. インサイドギヤは製作不能を見込んでキットに追加されていたようです. 右の台車の構造が集電装置を除いてオリジナルの形態で, ギヤはイモねじをフリーにしてあり, ワンモーターです. エンドウの集電キットを裏面から付けましたがレールに近い部位での集電のために脱線するとシューが動いてしまいます. ちなみに写真上の左に見えるインサイドギヤの軸距離は台車の軸距離より短く, 台車に新たな軸受け用の穴を開けました. したがって車輪の位置が軸箱とはずれているのですが幸いにもあまり目立ちません. MP ギヤなどに変更したいところですがあえてこの仕様です. その後すこしづつ修正を加え 10 年が経過, なんとか最初の完成に近づきました. 車両同士の連結には工夫が足りず, とはいえ小半径を走行可能にするにはこれぐらいの車両間距離が必要でどうしても間が抜けてみえます.
塗装は失敗. GSI クレオス Mr. メタリックカラーGXメタリックブルーにわずかにメタリックバイオレットを加えました. クリヤも吹きました. 鏡面仕上げが目標でしたがほど遠いものです. 塗装面の粗造, はみ出し, むらなど, 失敗のすべてがそろっています.
それでもなんとか電装も終了. 最後の写真はフォトショップで手を加え修正しています.(2018.2.4)