オーディオスピーカーのこと

オーディオスピーカーのこと

私が使用中のオーディオスピーカはほとんどが中古購入か自作で, リビングにある小型の一組とPC用にしか新品は購入したことがない. 大学生のときにFostex BK201と言うスピーカーボックスを製作した. ユニットはフルレンジFP203(フルレンジ) 1発であったがこのユニットはかなり癖があった. 高能率で指向特性が高くしかも, 周波数特性はフラットではなく右上がりであり, すなわち周波数の高い方で音圧が上がるのである. これはスピーカの向きを内向きではなくまっすぐ正面向きに設置して, 聴取する位置を正面正中にした時に高音がちょうど良い音圧で聞かれるという設定である. 箱はバックロードホーンのために低音はある程度強調されておりいわゆるドンシャリの傾向となり, 真空管の小出力アンプにはまさにうってつけで, これ以上の良い音は不要と勝手に考えていた. 時が経ってFP203はエッジがぼろぼろになり, 新発売されたFP208 EΣに換装した. この時は思い切ってスピーカネットワークを作製し高級なホーンも付けた. しかし, あまり聞かない. 大音量を出したいときのためにとってある. ホーンスピーカーというのは結構難しく, ヴァイオリンの音が管楽器のようにいわゆるホーン臭くなってしまうと言う欠点がある.

大須で最も老舗の中古オーディオ屋(多田オーディオさん)の店先でマスターが商品のスピーカーで声楽を流しているのを聴いた. リアルな人の声と聞こえて驚愕したのがQuad ESL 57 であった. 1983年頃と思う. 社会人になってまもなくであったがペアで24万円程であったか, すぐに給料をはたいて購入してしまった. 静電式スピーカーならではの音でとにかく弦の音がすばらしい. ピアノのその楽器が仕組みとして弦をハンマーが叩いて音を出していることを彷彿とさせてくれる. そういうスピーカーである. 当然声楽のリアリティーも高い.  出力は出ないが小部屋で聞くには十分であるし, 私はあまり交響曲は聞かないので当分の間私のメインスピーカーとなった.

随分時が経過. ふらっとサウンドプラザを訪れたときにソナスファーベルというイタリア製のスピーカーの中古が気に入り購入してしまった. グランドピアノホームというのでペアで28万円と高かったです. はやりの縦長のtypeです. ユニットはイタリア製ではなくデンマーク製だったと思う.

購入間もなくドビュッシーのピアノ曲を聞いていて1ヶ所雑音が入ることに気付いた. 事情を話してサウンドプラザのかたに2名来て頂き, 実際に視聴して頂きました. 社のかたは音を確認する音階の入ったCDも持って来られたがそれでは異常な音は聞こえなかった. もちろん売る前にこれでスクリーニングするのでしょう. 結局社のかたに打撃音で雑音が出ることがあると言うことを認識していただき, スピーカーを引き取ってユニットの交換を無料でして頂けました.  おそらく前の持ち主の過大入力による損傷であろうとのこと. さてこのスピーカーの音ですが静電式ではないのですが前述のQuad ESL 57に似ております. ESLより音圧は高いので, ある程度音が前に出て現在のメインスピーカーですが残念ながら低音は大して出ていません.

スピーカーというのはどれがよい音を出すのかかなかなかわからないが, 最近久しぶりにQuad ESL を聞いた. しばらくメンデルゾーンのチェロソナタを聞いて, では ソナスファーベルではどんな音が出ていたのかと比べた. チェロの音は全くESL の勝ちである. 弦が震える微細な音をESLはすべて伝える. ソナスでは鼻が詰まったように聞こえ, 音が平滑化, 平均化されているようなのだ. (2018/05/21)

ヘッドフォン レストアへ

戻る