Marantz 7 レプリカのレストア
ヤフオクでMarantz7 レプリカ 版のジャンク品を 29000円で落札した (2024/12/01). 私が Marantz7 実物の例え一部であっても手に入れたのはこれが最初である. 残念ながらフロントパネル, ツマミ類, 真空管及び基板などは欠損している. 配線が寸断されているが電源部分, 電源スイッチ, トーンコントロール, 入力セレクターは残っている. 音量, バランスボリューム, モードセレクター. low cut フィルター 用のレバースイッチも欠損している. 基板回路部分を新作する必要があるが, 当方の思惑とは一致している. 写真のごとく寸断された配線はキットなどの製作記事がない条件では完全にレストアに持って行けるのか苦労が予想される. 手元にあるのは管球王国の記事にあったオリジナルの回路図と セミコピー製作記事のみである. 目視のみでブリッジダイオードの 1 ヶ所にハンダの外れを見つけた. 慎重に半田付けして通電すると電源部分は生きていることが判明し一安心した. ネット記事ではキットバージョンはオリジナルとは異なる部分があるとされる. 私がこれまで作製してきたのはフィルター機能などを省略したものなので, レバースイッチ周りの結線はまったく知識が無い. 実体配線図なしにはow cut フィルター周りは結線困難である, ところがなんとnet上にその部分が出ていた. これは本当に役に立った. トーンコントロール回路はオリジナル+αで非常に良く考えられた複雑な構造のスイッチである. 複雑すぎて外から見ただけでは回路図と照合はできない. では早速落札したものを写真に撮ってみる. 背面の 500KΩのボリュームはやけに軸が長くてオリジナルとは思えないものが前面に突っ込まれており, 背面に戻した. この時ボリュームナットが欠損しており. 6.4mmシャフト用のそれは外形が9.4mmほどでいわゆるインチサイズであり, そもそもインチサイズの知識を得るのに努力を要した. 必要なボリュームナットは 3/8 インチサイズであるが手に入れるのも苦労した. あとでギターのボリュームはポットと呼ばれており「ポットナット」として引くと多数が出てくる事がわかった. 単にインチサイズとあって何インチなのかの記載がないものが多く, ちゃんと3/8インチ とか 3/8″ を選択しないといけない. 私は 3/8インチの「管用ナット」を手に入れたが必要以上に厚めで失敗であった. 写真は天板も底板も外してあるがそもそも底板は欠損している.
上記のように配線は寸断されており, 回路図と照合するだけでも非常に苦労する. さて真空管のソケットを固定するシャーシの工作は最初はミスミにお願いするつもりでネットで発注しようとしたが入力を誤ったら断られてしまい, この不親切な会社はあきらめた. 納期まで時間が空きその間に簡単な工作から開始. 下はそのミスミにオーダーして手に入れてあったベーク板であり, 孔を開けてビスを通した.
第二作も製作過程でこのような写真を撮ったがその時のビスナットはハンダでつかない材質で, あきらめて錫メッキ線に変更した.今回はハンダの付く真鍮製ニッケルメッキ製品を探し出した. シャーシと付属部品は岩田製作所にお願いし, 新たに設計図も引いていただいた. 一部誤りがあり, 設計図上で追記した. 真空管ソケットはMT管用であるが「金メッキ端子でシールド付き」という組み合わせを見つけることが出来ず, 今までも購入した安価なものにした.
上記がシャーシ. 下は基板と接合する部材で3つ必要である
送付された箱のデザインは中々優れていた. 箱に描かれた部品のスケッチはたぶんフリーハンドによるもので,芸術性がある. このような箱で送付されると大変うれしい.
岩田製作所は刃物の加工で有名な岐阜県関市にある. 我が家にも地理的には近い. 購入してあったソケットと合わせると開けられた孔は小さかった. 雑誌の記事をそのまま信じているとだめで, 必ず部品との現物合わせが必要. 直径18mm としたのは誤りで19mmが正しかった. 仕方が無いのでリーマーで広げたが, 1mm アルミなので工作はすぐに完了した.
モードセレクト用のロータリースイッチの発注したものが届いた. 富士通製でどうやら製作年月日が1978年10月らしい. 47年前のものだ.
フロントパネルは無かったのでヤフオクで別途探すと幸運にも掘り出し物が見つかった. オリジナルから外したというものが 3000円である. 私以外は誰も入札者がいなかった. きれいなものであると16000円が相場だから格安で手に入れた.
筐体はレプリカバージョンでありオリジナルとは穴の位置が異なる可能性もあったが寸分の狂いなく同じであった. 売り主が言うとおり入力セレクターの文字が消えかかっており, マランツ7 だけに文字が消えるまでに使い尽くされた個体が存在するのだと感心した. パネルの裏側を見るとボリュームなどの取り付け部分は座刳りが入っていて, パネルの上からさらにボリュームナットで締め付ける構造が理解された. このパネルを ChatGPTにアップロードすると以下の鑑定が頂けた.
✅ 総合判断(表裏を総合して):
このフロントパネルは、おそらく以下のいずれか:
🅰️ 精巧なレプリカ(高品質なアフターマーケット品)
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オリジナルに極めて近い仕上がり(材質・穴位置・面取り精度)でありながら、文字印刷や刻印がない。
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以前流通していた台湾や中国製の高品質なリプロダクションパネルと一致する特徴。
🅱️ オリジナルパネルを再加工したもの
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オリジナルの印刷が剥げたものを、再研磨 → 再印刷した可能性も残されています。
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ただし、その場合でも通常は裏面に少なくとも何かしらの**工業的痕跡(シリアル刻印、スタンプ跡など)**が残ることが多いので、やはりレプリカ寄りと考えるのが自然です。 レバースイッチが到着した
上記レバースイッチを規定の場所に装着したのが下写真. まだ結線していない状態. bass トーンコントロールから結線 (黄色) がどう考えても左右逆なので, どうなっているのか考え込んでしまう. 半田付けはプロによるものと思われ, 素人がキットを組み立てたものとは思われないので, いわゆるレプリカと思われる. なぜローカットフィルターのレバースイッチのみが取り外されているのか理由は全く不明である.
上写真はレバースイッチ用ノブの最初の購入品であるが寸法が合わずに挿入できない. 調べるとこれはインチ規格で3mm足らず, もう一つミリ規格らしきも買ったが 4mmで金具が4.5mmの幅なので0.5mm小さく挿入できない. こちらはドリルの刃で穴を広げた.
上は抵抗主体側の基板であるが脚の長さの関係で位置を完全に揃えることができなかった. これは準備不足と言うことか, 努力不足と言うことか.
シャーシとの間にはゴムのブッシュを噛ませて振動を吸収する構造をまねすることにしたが, 実はオリジナルがどのようになっているのか筆者は知らない. 写真は穴の規格が 3 mmであり非常に小さな部品である.
下のボール盤は直径 6.4mmの刃が付けてある. 手に入れた左側用の 4 つのノブは 径 6mmであるがセレクターはインチサイズでオリジナルの 6.35mm であってそのシャフト径にまで広げるために使用.
12AX7 はヤフオクで平均価格2000円で落札した. 特に雑音などなく問題なく使用できている. 上は東芝で下が松下と混じっている.
前述のように購入したジャンクはローカットフィルターがはずされており実体配線図がなければ私には結線困難であるが, なんとnet上には出ていた. これなくしては歯が立たない, 本当に役に立った.
2025/3/10 すべての配線は完了したが完成できなかった. フォノで実験したときに大音量が出てしまい慌ててメインアンプのスイッチを off にした. 配線をチェックするとメインボリュームのアースラインを取り忘れている事に気付いた. 実体配線図では分かりにくいが回路とボリュームの間はシールド線を用い, シールドアースする必要があったが省略していた. その修正後ライン入力は右チャンネルから良き音が聞こえたが左チャンネルは鳴らず. そしてフォノからは両チャンネルともにピーという高音の発振音のみが聞こえる. 針を擦るとわずかに音は入るので配線がまったく異なっているわけではなさそう. 1回で完成できず無念である. 私の力でそれなりに確認しても誤配線は見つからず.
2025/3/16 ローカットフィルター回路に誤配線を見つけて修正したら両側から音は出た. ところが左チャンネルからはノイズが聞かれる. 真空管の入れ替えを試しても左右が変わりない. 目視では誤配線は見つからず. 音を出しながら回路を触ってもノイズに変化が出るヶ所は分からずハンダ不良などではなさそう. ノイズはザーザーにポツポツと不規則に変化するタイプで, 今までメインアンプで経験してきた真空管ソケットの接触不良やマイクロフォニックノイズに類似しているが解決がつかない. 抵抗やコンデンサー不良も原因としてあげられるが新品であり考えにくい. 対側である右チャンネルはメインアンプゲインを目一杯上げても雑音はほとんど入らないので左チャンネルに特有の問題だが, どう考えても左右同等に製作してある. まったく困惑である. アースの取り方やシールド線の処理についても左右同等になっているはずだ. トーンコントロール回路を完全にバイパスさせてどうなるかは課題であるが.
2025/03/28 懸案であったフォノ段の 100pF を装着したが高音発振は止まらなかった. ネットには有害であるから取り外すべしなどと書いてあって, 最初から購入しなかった. 一方で取り外すと発振するとも書かれてある. RIAA 回路を片側外すと発振は止まり, つながっている側のフォノの音はひずんでいるが出る. そのことを Chat GPT に尋ねてもアースの問題とか意味のなさそうな回答しか得られない. また修理すべきヶ所を指摘されているが, 現時点ではカップリングコンデンサーの交換と言うことになっている. こりゃまた出費であるし, それで本当に直るのか保証がない. コンデンサーの抵抗を測定すると最初に低抵抗値が出てその後高抵抗になると書かれてあるがいずれのコンデンサーも抵抗値は測定できない. 無限大である. これは壊れていると言うことなのか.
2025/04/02 基板内のシールド線の 1 本をいじるとノイズが変化することをようやく発見. 線を強く押しつけたら雑音は一旦消失. しかし再度出現する. 思い切ってその 10cm ほどのシールド線を作り直すとあっさりノイズは消えた. 元のシールド線のなにがいけないのかはルーペで観察してもよく分からなかったが, カッターで加工した際に中の被覆に傷を付けていたことが判明した. カッターで切ったときの銅の粉末が悪さしたのだろうか. アンプの故障の原因を突き止めるのには触診は極めて重要である.
2025/4/03 前日の実験では RIAA 配線を片側はずしても両側にひずんだフォノの音が出ていて, どこかで左右が混じっているような予感がしていた. 基板上の配線を再度確認したところ, クロスさせなければいけないところでそうなっていない事を発見し, この配線を直すと発振は解決した.
今までの私の失敗は以下である
① メインボリュームのアースを取るのを忘れ大音量が出た ②トーンコントロール回路の結線位置を間違え片側音が出なかった, ③シールド線の一部に雑音が混入する問題があり製作し直した, ④V3への結線の一部で左右逆になっており発振の原因になった. これらを解決するには約 4 週間を費やした.④については同様なことがネット上にも書かれてあった. 下の写真で 2 本の黄色のラインが見えるが
クロスしているように見えてクロスしていない. 実体配線図ではわかりやすくクロスして描かれているのだが実際の引き回しではつい並行にしてしまうのだ. この誤りを回路的に表現すると V2のカップリングコンデンサーをV3 のグリッドにつなぐのに左右逆に繋いでいたということになる. V3のカソードバイパスコンデンサー0.47μF が配置上クロスしているのに合わせてこちらもクロスさせなければいけなかった. V3 は双三極管の片方ずつを左右に分けて使用している. 従ってクロストークが生じうるがグリッド配線のみ左右取り違えると片チャンネルつないだときに両側に歪んだ音が小さく聞こえる. RIAA を両側つなぐと完全に発振してしまう. この現象を観察していたことになる. 下写真は黄ラインを正しくクロスさせたもの.
このレストアをきっかけにマランツ7について調べているとこのようなサイトを見つけた. いろいろな情報がダウンロードできる.
ほぼ完成状態の写真を下に掲載する. フロントパネルはまだ付けていない.
上記オリジナルの回路図では treble のトーンコントロールは抵抗とキャパシターは直列になっているがこの個体ではキャパシターにそれぞれすべてに 2.2KΩ 抵抗が並列で挿入されており持ち主が変更したと思われるが, ひょっとするとレプリカバージョンでは設計が異なるのかも知れない. とりあえずChat GPTに「私が手に入れたマランツ7は 元回路図では treble のトーンコントロールは抵抗とキャパシターは直列になっているがこの個体ではキャパシターにそれぞれすべてに 2.2KΩ 抵抗が並列で挿入されておりました. どのような目的でしょうか」 と尋ねてみると, 以下が回答である.
「おお、それは興味深い変更ですね。マランツ7のようなヴィンテージ機器では、トーンコントロール回路の変更は稀に見られる改造のひとつですが、その2.2kΩ抵抗がキャパシターに並列に入っているというのは、回路的に明確な意味があります。
並列抵抗の目的
コンデンサーに並列で抵抗を入れると、そのコンデンサーがブロックする高域の周波数を一部通すようになります。これには以下のような目的があります:
1. Q(共振の鋭さ)の調整・減衰の滑らかさ向上
キャパシター単体ではある特定の周波数以上を急峻にカットしますが、並列に抵抗を入れることで、カットオフ特性を緩やかにできます(つまり「より自然な」トーンカーブになります)。
トレブルの調整が鋭く効きすぎるのを緩和する目的があるかもしれません。
2. 帯域のバイパス/リークパスの形成
コンデンサーは理論上、直流をカットし交流だけ通しますが、並列抵抗を入れると小さい信号でもわずかに電流が流れる経路を作ります。これにより「完全にカットされる」周波数帯がなくなり、よりナチュラルな音質になります。
3. オリジナルに比べて出力インピーダンスの調整
トーン回路の変更で、出力インピーダンスや負荷の影響を調整したいとき、こういった並列抵抗が使われることがあります。
推測される意図
あなたの個体の改造者は、おそらく以下のような目的でこの2.2kΩを追加した可能性があります:
トレブルの効きが急すぎる・不自然に感じたため、マイルドに調整したかった
トーンコントロールをフラットにしたときでも、音が「こもる」と感じ、それを補正するために高域を少し漏らしたかった
実際のスピーカーやアンプとのマッチングを良くするためのチューニング
まとめると:
「コンデンサーに2.2kΩの抵抗を並列で入れる」=「高域の減衰をなだらかにする」「Qを下げる」「音質をナチュラルにする」といったチューニング目的の可能性が高いです。」うーーん凄いなあ.
下写真で左の方に白い 左RIAA回路のリード線 1本がビス頭の横に見えるがハンダが外れていて, いろいろ実験したあとにハンダ付けを忘れたか, 天ぷらハンダで外れたかいずれかである. 一見付いているように見えるので悩みの種となった.
下写真でAカーブ 1 MΩ MN型の2連ボリュームはまったく手に入らないので, Bカーブ 1MΩ のボリュームを背中合わせに 2つ装着し一つは筐体に隠れてしまう. 結果としては片側のボリュームだけで役立つものだ.
真空管は松下製 4本東芝製 2本をヤフオクで平均2000円で落札した. 雑音など無くまったく問題なし. V3, 6は単独で左右の入力を受けているので V1,2, V4,5を松下製に, V3,6を東芝製にした.
ようやく完成が近づいた. この時点でパイロットランプはまだなく, 底板は欠損している. アルミ板を発注している. パイロットランプには 2V が来ているが 2Vの LEDを探しているところだ.
マランツ7 の不思議であるが, セミコピーの記事 (藤本伸一氏) ではセレクターとRCA ジャックの結線はすべてシールド線にしている (ように見える) が現物は決してそんなことはしていない. さらにメインボリュームと V4,5 プレート間を繋ぐシールド線が極端に太いく重なシールドが施されている. 向かって左の側板にウレタンスポンジが貼り付けられていた. これは劣化していた上に接着剤が固着して取り除くのが困難であった. このスポンジの役割は結線の共振を防ぐためであろうか. さらにRIAA 回路が基板上になく, セレクタースイッチに実装されているのが不思議である.
放熱用の穴が天と底では異なる形状だ. 下写真は底板の製作で, 特注アルミ板 360×214mm 厚さ1.5mmにポンチを打ち, 保護フィルムの上から 6mmの穴をボール盤で開けたところ. net 上にはこの孔の設計図はなかった.
底板のビスが 一部しか締まらないがとりあえず完成. パイロットランプ挿入孔は直径5mmであり, ここにはまるLEDパイロットランプは手に入らない. 仕方ないので 2V Φ5mm の LED (OHM社製) を挿入したらすっぽりきれいにはまってくれた.
ひっくり返すとトランスの下にこの放熱口が来るようになっている.
マランツ7は3台目となり, コレクションは賑やかになった. 右上に置いたのが本機である, (2025/4/12).
完成させたと思い込んでいたが, ライン入力での左右差は全くないもののフォノ入力で左チャンネルの音が全体に高域によっていて低音が出ていないことに気付いた. 音は左がやたら大きくしかもすこしひずんでいることにも気付いた. negative feedback がかかっていないのだろうか. どこかでアースを取り忘れているのだろうか. そもそも最初からこうなのか途中からこうなったのかが不明だが, いずれにしても完成にはほど遠いと思い込んだ. この故障での精神的ダメージはひどかったが数日間頭を冷やして蓋を再度開けると数秒で RIAA の結線が左で外れていることを見つけた. 数日間はいろいろと妄想して, キャパシターの故障だろうか, 発振したときにどこかが故障したのか Chat GPT にも質問して, 気が狂いそうであった. 蓋をするときに微妙に筐体の歪みが生じて, 天ぷらハンダが外れたのだろうか実験の途中ではずしたハンダの再ハンダを忘れたのだろうか. いずれにせよ苦労の甲斐があって美音が聞かれるようになった. 左チャンネルの異常に気付いたのはスピーカを切り替えてQUAD ESL に繋いだ瞬間だ. 他のスピーカでは気付かないのにこのスピーカでは低音がまったく出ていないことに直ちに気付かされた. 誠に敏感なスピーカである. 逆に片側チャンネルから RIAA 補正がされていない音が出ていてもしばらく気付かない私はまったく馬鹿耳だ. それどころかピアノの音を聞くと高音が刺さるのでかえって美音に聞こえていたのである. この個体は treble トーンコントロールにキャパシターに並列で抵抗が入っており, treble をブーストしても変化はややソフトである. 前述したChat GPT の指摘どおりであった.
RIAA が外れていたことをChat GPT に報告したときの返信である (私の喜びを代弁してくれています)
おおお、それは見つかって本当によかった!!🎉
そして…なるほど、RIAA回路へのフィードバックラインが断線していたとは!
それであの「左チャンネルだけやたら音が大きくて歪んでいて、しかも低音が出ない」症状、完全に合点がいきます。
🔧 RIAA回路が未接続だった場合の動作(技術的に)
はい、まさにおっしゃる通り、
RIAA回路は「負帰還(ネガティブ・フィードバック)」で構成されるEQネットワークです。
これが外れると…
➤ 負帰還がかからず、回路はこうなる:
項目 状態
ゲイン 超高ゲイン状態(設計の数倍)
周波数特性 フラット〜高域寄り(逆に近い)
低域 補正されないのでスカスカになる
歪み 真空管のリニア領域を超え、激しく歪む
発振傾向 状況によっては高域で発振も起こりやすい
🧠 なぜ音は出ていたのか?
「RIAAが切れてたら音が出ないと思ってた」というのも自然な感覚ですが…
実際は、RIAA回路は
**「アンプ回路のプレートからカソード(またはグリッド)に戻す帰還ループ」**で成り立っているため、
フィードバックが外れてもアンプ回路自体は動作します。
ただし、その結果は「ものすごく暴れた音」になるわけです。
🎯 これまでの症状がすべて説明つく!
左だけ音がでかい → 負帰還がなくゲイン過多
歪む → 信号が大きすぎて増幅段でクリップ
高域が強調される → RIAAカーブが適用されず、再生イコライジング失敗
低域スカスカ → 本来ブーストされるべき帯域がノーサポート
✅ 結論:大正解のトラブルシュートでした!
あなたの粘り強さと観察眼、そして冷静な分析の積み重ねがこの解決につながりました。本当に素晴らしいです👏
また「フィードバックが外れても音が出る」という現象は、今後の自作・修理の現場でも生きる知識になると思います。
📻 これでマランツ7、完全復活ですね!また何かあったらいつでも気軽に聞いてください。楽しい自作・レストアライフを✨