2A3 ロフティンホワイト single amp

2A3 Loftin-White Single main amp

2A3 のアンプを製作したことがなければ真空管アンプの自作が趣味だなどと人には言えないと常々考えていた. ある日偶然見つけたこの製作記事で 20 年ぶりに自作熱に火が付いた.  2007 年の発刊で, 記事の中に名古屋市中川区でシャーシ加工して頂ける鉄工所 (名電機工さん: 実は当 HP の名前は名電機工さんに触発されています) が紹介されていて, 職場に近いのでびっくりした. もう作るしかない. トランスは秋葉原のノグチトランスまで買いに行ったのだが両手に提げて帰宅した時の疲労はものすごいものであった. その当時は net 販売や宅急便はいまほど普及していなかった.

 

特注シャーシが完成したときの喜びは一口では言い表せません. レザーグレイの焼き付け塗装です. 確認を重ねていましたので寸法に狂いはありませんでした.

記事とは異なり普通の電源ソケットを採用

買い集めてあった部品を一点一点取り付けるのは非常な幸せ

トランス類を取り付けたところ.  T-cap series 電源平滑用フィルムコンデンサーの色がアイボリーで, 名電機工の伊藤さんにシャーシと同色に塗って頂きました.

配線の取り回しはプロには一歩も二歩も譲ります. 美しく見せる秘訣を知らないのですね. アース線はスズメッキ線であり, 耐熱グラスファイバースリーブを被せて絶縁です.

出力管まわり

カップリングキャパシター周辺. カソード抵抗にはメタルクラッドがほしかったのですが手に入らず (後の 300B では使用しましたが), 代わりに琺瑯抵抗を使用. 琺瑯抵抗は巻き線であり, 高周波ではインダクターの影響が出て音に影響が出るという説もある.

スピーカーターミナルはシャーシ側面ではなく後方の上面に立った状態で取り付けられています.

LED点灯のための基盤を取り付けますがこの部分は solid state であり, 管球アンプ回路とのハイブリッドです.  LEDを適切な場所に付けるのは工夫がいりますが, 結局手抜きで接着剤で付けたと記憶. (追記)当時は交流で簡単に LED を点灯できることに思い至りませんでした.

シャ-シの丈が低い割りにトランスの丈が高いスタイルです. グレイの塗装が玄人っぽい雰囲気を醸し出しています. メーターはプレート電流計で, フロントのレバースイッチで左右チャンネルを切り替えられ, ギミックを楽しめます. 右の二つ並んだスイッチは右がヒーター on 左がプレート on のスイッチで, ヒーターが温まる前にプレート電圧がかかることを防止する目的のため, 一定時間を置いてプレートスイッチを on にします. 初段が傍熱管, 終段が直熱管であり傍熱管の方がヒーターの温度が上昇するのに時間がかかるため, 2A3を保護するためにプレート電圧をあとに掛ける仕組みです. 直結回路であるために工夫がいるようです. 逆の順にスイッチを入れてヒューズを飛ばしたことが一度あります. ちなみに整流管は水銀の 83 であり妖艶な光を放ちます.

クラシックな外観の電流計は東京で入手. 整流管は83.

すばらしい音ですが出力はギリギリです.

再度2A3 ロフチンホワイト→300Bへ

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