大きな車輪を持つスイス生まれのED級電気機関車であり, ブフリという特殊な動力伝達機構を有するためにまったく左右の側面形態が異なる, 大変無骨なスタイルを有する本機はまさに輸入電気機関車の雄であると思います. このED54 という輸入電気機関車の模型は今は無き鉄道模型社ないしは精細高級で名高いムサシノモデルからしか出ておらず, 前者のものでもキットのみの販売で, ヤフオクに出ていたとしても思い切った金額を入れないと入札に成功しません. 私もこれをもって一通りの輸入電気機関車が揃うという段階でようやく手に入れることができました. 仕掛かり品で, この状態にまで製作していただいた方には大変感謝です. このキットが最初に発売されたのはまだ日本のHO/16番ゲージの黎明期で, その時期にここまで完成度の高いキットが販売されていたこともまたすばらしいことです. 調べると発売初期には左右のエッチングに間違いがあった時期もあり, 駆動装置も初期は B, C 軸を駆動して, A, D 軸にはスプリングベルトで伝導とありますが, その後修正のため最終の駆動伝達方式に変更するキットが発売されたとのこと. A軸とD軸が左右に首を振って線路の弯曲に追従する仕組みはなんと実物と同じであると知った時には本当に驚きでした. 完成に至るまでの経過を是非記事で読んで下さい. ED級輸入電気機関車へ