昨年の6月, 大学時代片思いだった女性の訃報に接した. 思いもかけないことで,そもそもどうして亡くなったのか, いても立っておられなくなり, 元友人の妻になっていたにもかかわらず告別式に出かけた. 悲痛, 衝撃. 40年あまりの空白があるものの, 蘇るのはその彼女が全く若くて清楚であった姿. もちろんその思い出は遠いはずなのに, 彼女が今までどのように家族と共に生きてきたのかという事実に接し, 当時の姿がまるで昨日のように蘇ってくるのであった. 1週間は夢見こごちが悪く, 3週間は彼女の姿を追い続けた.
今年は高校の同窓会が開催された. 42年ぶりで皆さん60歳です. 思いがけず全クラス合同であり, 片思いであった往年の美女に2名も会うことができた. 1名は予想通りの変わりなし, 1名は面影を求めようがないほど普通の方になっていた. この後者の方は高校生の時にはあまりにもきれいで私は遠くからあこがれの存在として見ていただけですが 思い切って話しかけてみたのです. すると彼女は私が神経内科医師と知るやご自分の母の病状について根掘り葉掘り質問されるわけです. 適当に切り上げてお別れしましたが. 別れ際にあこがれの存在でしたと告白してしまいました. その後, 当時の片思いの感情がどっと私の脳裏に. それは何日も何日も続き, あの狂おしい, 甘い, 片思いの感情が当時のままに蘇るのです. 実際に会った方ではなく, その過去の存在に対する恋愛感情なのでしょうか. でもご本人と話すとこの感情は間違いなく高まります.