HO 鉄道模型レイアウト

Fleischmann HOレイアウト製作

16 番 (HO) 鉄道模型の全盛期, 私は小学生でした. 小遣いは足りず, 動力車 4 両と貨車数両を持つのみで, 技術や知識も不十分なため, 宮沢製 D50 塗装済みキットすらスムーズに走行させることができず, 悶々としたものです. その後, 日本型の完成品は高価でますます高嶺の花となり, 手を出す気にはなりません. 模型遊びなどすっかり離れて 26 年あまり経過した 1996 年頃, 外国型鉄道模型という聞き慣れない言葉に惹かれて, 金山にあったモデルバーン名古屋店 (後に岡崎に移転その後閉店か(2021年)) を訪れました. この店のジオラマは本当にすばらしく, ガラスのショウケースにヨーロッパの建築物群とともに細長いレイアウトが敷かれていました. ヨーロッパの風物が好きな私は大変わくわくしました. 今まで経験したことがない建物のキット製作から手始めに鉄道模型を再開したことを記憶しています. 並んでいた車両はプラスチックではなくブラス製であると信じ込んでいました. 店員の方からは声がけをしませんという張り紙がされており, ひと通り見て回ると, 当方から質問せざるをえませんでしたが, これはなかなかの名案で居心地が良かったです. 何回目かの訪問で Fleischmann の初心者向けセットを購入し, まずは狭いところでも遊べる外国型 HO のコンセプトに感心したのです. 当時の店長小林さんに「是非はまってください」と言われ, 小学生以来果たせなかったジオラマ製作の夢を予算的にもリーズナブルな外国型 HO ゲージで実現したわけです.

2000年の Fleischmann カタログが手元に残っており確認しますと, 種々のレイアウトの記載があるものの中で最も立派なものをそのまま作製しています(上図). 内外周のエンドレス, 転車台とヤードがあるのですが外周は半径 420mm, そしてその一部に短距離ですが半径 356.5mm が含まれています. カタログによるとレール全体の大きさは 228×88cm です. ヨーロッパ型のほとんどの車両がこの内周を問題なく走行します. 日本型では最も小半径でも600mm (60cm) という規格ですから直径にすれば 1200mm です. これは 120cm であり, いかにヨーロッパ型はコンパクトにレイアウト作製ができるかが分かります. 小林店長さんの言われた鉄道模型の本来の醍醐味は手作りにあるという言葉もまた耳から離れず, ヨーロッパ型で再開しながら, もの作りの楽しみを求めて久しぶりに安井模型を訪れ, 小型の動力車から初め, すこしずつ日本型でのブラスキット作製の腕を磨いてきました. これは後にぶち当たる極めて困難な道を歩くことになる最初です. 製作に関しては実際には現在でも半田付け工作は修行中です. 実は Fleischmann の線路も思いのほか問題があります. ショートして過電流が流れるとポイントの内部で加熱をきたしプラスチックの融解を生じ壊れてしまうのです. 線路を守るための過電流対策がコントローラーに必要ですが, 私の自作コントローラーでこの対策がないのです. このレイアウトも既に年月が経過し, レールは経年変化で歪みを生じており, 気温の差によって上下の湾曲が生じてしまっています. これは釘打ちを修正すれば反りが戻るのですが. 設置場所の気温変化が激しいので仕方がありません. 実は芝が生えた紙 (レイアウトシート) の上にレールを敷いたのが失敗の元でした. 建造物は Kibri 社のものが多いです. Fleischmann 製の扇形機関庫ですが屋根は外してあります. 転車台は滅多に動かしません. 動くことを確認するとそれでまあいいかということになり, 放置するとレールがさびてしまい走行しなくなるからです. 転車台のゆっくりした動きは私の性分には合いません. 背景の印刷物は失敗です. 紙製の背景画をプラスティック板に両面テープで固定したところ湿気でしわができてしまいました. 残念な事にこの背景の下は階段スペースで手が届きにくく工作がし難いのです. 背景画の掲示は材質など相当考えないとうまくいきません. 困難なのは日本型の製品やキットから完成させた機関車類をこのジオラマ上を走行させることです. それは主として上記した小半径レールの存在によります.

Fleischmann 転車台

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